博士課程も2年目に突入した。
1年目は実験系の立ち上げにほとんどの時間を費やした。
最初はほとんどのうまくいっていなかった遺伝子編集が、1年目の後半になってようやくうまくいくようになった。
これにより研究プロジェクトの核となる実験系の立ち上げもほとんど済んだ。実験系立ち上げでうまく行かずにポシャるプロジェクトもあるので、ここまでこれたことはひとまず安心だ。
今後、ようやく生物学的な問いについて検証ができ、ここからが本当の勝負所となる。
鍵となるのはどこで新規性を出せるかだ。自分のラボでは、スクリーニングで新規遺伝子を釣り上げたり、新しいテクノロジーを開発したり、というようなプロジェクトの推進はまれで、知られている分子を深く丁寧に見ていき、メカニズム的に新しい観点を得るというような研究の進め方をとる。
このアプローチはtechnology drivenな進め方に比べると、忍耐強く洞察するような能力が問われ、本当に難しい。
実験結果が出始めたら、データの中にダイブして、面白い発見をしたい。
また個人的には、サブプロジェクトも持ちたいと思っている。ラボ内で漂っているプロジェクトの萌芽のようなものはあり、それらはとっつくやすそうだが、なんとなくlow hanging fruitな勘がして、気が進まない。どうせなら自分独自の考えでやりたいことに取り組みたい。が、まずはアイデアが必要である。上述のメインプロジェクトはどちらかといえばsolidかつcomprehensiveな仕事なので、逆に、high-riskかつlocalなプロジェクトがしたい。しかしこの手のプロジェクトはボスを説得するのがなかなか難しい。文献を読み漁りながら、アイデアを絞り出していきたい。
メイン、サブいずれにせよ、博士2年目はプロジェクトの方向性を決定する大切な1年となりそうだ。